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防災計画書作成コンサルティング 避難計算の考え方

「新・建築防災計画指針」において建築物の避難安全性を評価する手法として避難計算という手法がありますが、ここではその役割や考え方、注意点について解説します。

避難計算とは

避難計算の役割

避難計算とは、ある階を出火階とみなし、その階にいる人々の全員が階段室内まで避難する状況を予測し、これによって建築物の避難安全性を検討評価するものです。
避難計算の目的は設計者に「避難動線」について考えさせることにもあるので、単に評価基準を適合させるだけではなく避難者の流れに無理のないプランを検討し、合理的な避難動線を設計するように工夫する必要があります。

評価の概要

避難計算では3種類の避難時間を求め、それぞれに対する許容時間と比較評価する必要があります。
また、避難経路上の混雑状況も予測し、廊下や附室がそこで滞留する人々を無理なく収容できる広さが確保されていることを確認する必要があります。予測する避難行動は全員がその階から退去するまで、すなわち最後の避難者が階段室あるいは屋外に逃げ込むまでの間が対象となります。

避難計算は以下の手順で行われます。
①各階ごとに避難対象人数を求め、避難計算対象階を選定します。
②避難計算の対象となった階について次の評価を行います。

a)居室避難の評価:各居室について、そこが出火室となった場合の避難時間を求め許容時間と比較評価します。

b)階避難の評価:その階の一つの居室を出火室とし、階全体の避難者の流れを設定し、避難時間と避難経路上の滞留人数を求めます。

求める時間には「階避難時間」と「廊下避難時間」とがあり、それぞれ許容時間と比較します。
また、滞留人数についても必要な滞留面積が確保されているかを確認します。

居室避難時間の評価

居室避難の考え方

・火災が発生した場合にその居室の全員が室外に避難を完了するまでの時間を求め、許容避難時間と比較評価します。
原則として各居室ごとに算出し評価する必要があります。

居室避難時間 (T1) ≦ 居室許容避難時間 (rT1)

※居室避難時間は、避難対象人数や扉の数・幅・位置等によって決まります。
※居室許容避難時間は、室面積によって決まります。

注意点

・大会議室や集会場等の避難人数が多い室の場合は、計画していた内容以上に扉を設置する必要が出る場合があります。

・病院等のような歩行速度を遅く設定する必要がある避難弱者が利用する施設におけるリハビリステーション等のような室面積が大きい室の場合は、歩行時間が長くなるためクリアが難しい場合があります。

・200㎡を超える居室は、原則として最大幅の扉の一つを無いものとして計算する必要があるため、クリアが難しい場合があります。

廊下避難時間の評価

廊下避難の考え方

・廊下等の第一次安全区画において、その部分を避難者が利用している時間帯の長さ。
すなわち、その階の廊下に最初の避難者が入ってから最後の避難者が階段室あるいは附室に逃げ込むまでの時間を求め、許容避難時間と比較評価します。
各階段への避難経路ごとに評価する必要があります。

廊下避難時間 (T2) ≦ 廊下許容避難時間 (rT2)

※階避難時間は、該当する階段へ避難する避難者数やそこに係る居室・廊下の形状、扉の幅等によって決まります。
※階許容避難時間は、その階の全ての居室及び廊下の面積によって決まります。

注意点

・階の床面積が小さいフロアは廊下許容避難時間が短くなってしまうため、クリアが難しい場合があります。

・病院等のような歩行速度が遅く設定する必要がある避難弱者が利用する施設は、廊下避難時間が長くなる場合があり、クリアが難しい場合があります。

・面積の大きい室と小さい室が混在している計画で、面積を大きい室を出火室として計算する場合は、クリアが難しい場合があります。

階避難時間の評価

階避難の考え方

・火災が発生したときから最後の避難者が階段あるいは附室に逃げ込むまでの時間を求め、許容避難時間と比較評価します。
階段への避難経路ごとに評価する必要があります。

階避難時間 (Tf) ≦ 階許容避難時間 (sTf)

※廊下避難時間は、該当する階段へ避難する避難者数やそこに係る居室・廊下の形状、扉の幅等によって決まります。
※廊下許容避難時間は、その階の全ての居室及び廊下の面積によって決まります。

注意点

・廊下避難に同じ。

滞留面積の評価

滞留面積の考え方

・廊下や附室における最大滞留人数を算出し、この人数が当該廊下・附室に収納可能かどうかを評価します。

必要滞留面積 ≦ 滞留可能面積 (mA)

※必要滞留面積は、当該廊下・附室に滞留する最大の人数によって決まります。
※滞留可能面積は、当該廊下・附室の実際に滞留することが可能な内法面積です。

注意点

・共同住宅やホテル等において、第一次安全区画となる廊下等の面積が非常に小さい場合は、クリアが難しい場合があります。

・安全区画となる廊下等の途中に扉がある場合は、そこで滞留が発生してしまう場合があり、クリアが難しい場合があります。

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